【知識】ポルトガル語での子音や母音の省略

ポルトガル語では子音や母音の省略及び前置詞と冠詞や指示代名詞及び指示形容詞との間の短縮が多数ある。

ポルトガル語はこの点ではほぼイタリア語やロマニカ語と対等に並びラテン語を除けば世界の頂点に立っている。過度な子音群や母音間衝をさけながら、ついでにちゃっかり音節数を減らすというこの慣わしはこれらの言語に経済性や流麗という二つのメリットをもたらしている。

この点で英語は極めて遅れを取っていてほぼ最下位にあり、ほぼ”lame duck”のようである。それでは気の毒ではあるが英語にここで”scapegoat”になってもらい上位4位言語と比較して見ることにする:

英語:
The key to the solution of the problems of some homeless people in this part of the town
ロマニカ語:
La clave alla solution dellos problemas d’alicun populo sin tecto n’esta parte dell’urbe
イタリア語:
La chiave alla soluzione dei problemi d’alcuna gente senza tetto in questa parte della citate
ポルトガル語:
A chave á solução dos problemas dalguma gente sem teto nesta parte da cidade.
ラテン語:
Clavis ad solutionem quaestionis alicuius populi sine tecto in hac parte urbis.

ポルトガル語の簡潔さいいですね。

【基礎】間違いやすい同語源語

スペイン語 ポル語では ポル語 スペイン語 では
Vaso copo コップ Vaso florero 花瓶
Embarazada gra’vida 妊娠した Embarac’ada estorbada 妨げられる
Exquisito primoroso 絶妙な Esquisito estran~o 奇妙な
Bolsa sacola 袋 Bolsa carteira 財布
Bolso bolsa de viagem 旅行かばん Bolso bolsillo ポケット
Medicina reme’dio 薬 Medicina Medicina 医学
Cachorro filhote 小犬 Cachorro cachorro 犬
Escritorio escrivaninha 机 Escrito’rio oficina 事務所
Fechar datar 日付を記す Fechar cerrar 閉める
Latido pulsac’a~o (心臓の)鼓動 Latido ladrido (犬の)鳴き声
Palco camarote ボックス席 Palco escena 舞台
Polvo po’ ほこり Polvo pulpo (食用の)たこ
Sorbete canudo ストロー Sorvete helado アイスクリーム
Helado sorvete アイスクリーム Gelado helado 凍えた
Apellido sobrenome 苗字 Apelido apodo 仇名
Sitio lugar 場所 Si’tio granja 農場
Chacra si’tio 農場 Cha’cara quinta 別荘

【基礎】ブラジル・ポルトガル語入門

1. Oi!  オイ
挨拶表現です。朝、昼、夜、いつでも使えます。砕けた表現ですが、ブラジル人はとてもインフォーマルなので、 余程目上の人ではない限り使用OK!語尾を上げてOi? と言うと、相手が言ったことが分からない場合にききかえす表現になるので、便利な言葉です。

2. Tudo bem? トゥード・ベン
直訳 「すべてうまく行ってる?」 すなわち、「元気?」 もちろん、それに対する答えは、Tudo bem! 直訳 「すべて うまく行ってる!」

3. Obrigado(a). 男性はオブリガード。女性は、オブリガーダ
昔、観光に行ったポルトガルのガイドさんが、日本に入 ってきたポルトガル語はたくさんあるという話をしていて、「ありがとう」も、オブリガード(そういえば、似てい る?)からきたという説があるという話をされてましたが、真偽の方はいかに??(2日間のポルトガル旅行だったんですけど、お目当てのスペインよりよっぽど気に入って、一緒に行った従兄と「また来たいねー。」なんて話していましたが、あのころ、まさかポル トガル語を学ぶようになるとは思わなかったなぁ。しみじみ。)

4. Licenc’a.  リセンサ
「失礼します。」人の前を通るとき、道を開けてもらうとき、話を中断するときに使います。

5. Tchau!  チャオ
バイバイ。別れの表現です。イタリア語Ciao より由来していますが、イタリア語では、人と会ったときにも使われるのに対して、ブラジルでは別れる時のみ使われます。 砕けた表現ですが、Oiの項で書いたように、よほど目上の人でなければ使用OKです。

と言うわけで、この五語を覚えれば、基本はバッチリです。


挨拶表現

Oi というくだけた表現は先ほど学びましたが、ここでは、基本的な挨拶を見てみましょう。親しい間柄はもちろん、あらたまった関係でも、用いられます。

Bom dia! ボン・ジーア (おはよう)
Boa tarde! ボア・タルジ (こんにちは)
Boa noite! ボア・ノイチ (こんばんは、おやすみなさい)

Bom dia! は、午前中、Boa tarde! は午後、Boa noite! は暗くなってから使います。人に会った時はもちろん、別れる時にも使います。


別れの表現

基本五語のTchau、挨拶表現のBom dia, Boa tarde, Boa noite のほかに次のような表現があります。

Tchau, tchau. チャウチャウ
犬の名前、もしくは、「違う違う」という意味の関西弁みたいですが...(^^;)Tchau を2回重ねた表現。日本語の「バイバイ」にあたります。親しい人に対してのみ使われます。

Ate’ + 時間
Ate’ (アテ)とは、ーまでという意味(英語のuntilにあたる)。このあとに時間表現を入れて、「じゃあまたーまで!」という別れの表現が作れます。例えば...
amanha アマニャ( 明日 )という単語を使って Ate’ amanha~ アテ・アマニャ といえば、「それでは明日!」、semana que vem セマナ・ケ・ヴェン (来週)という単語を使って、Ate’ semana que vem. アテ・セマナ・ケ・ヴェンといえば、「それでは来週。」となります。(それぞれ英語の See you next week, See you tomorrow などにあたります。)

Ate’ logo / Ate’ mais. / Ate’ ja’. アテ・ロゴ / アテ・マイス / アテ・ジャー
どれも、「また後で。」という意味で、よく使われる表現です。この中で、Ate’ logo. が一番フォーマル。

Tenha um bom dia. テニャ・ウン・ボン・ジア
uma  boa tarde. テニャ・ウマ・ボア・タルジ
uma boa noite. テニャ・ウマ・ボア・ノイチ
Tenha は英語でいうと have (持っている)の命令形。Tenha bom dia. の直訳は「よい一日を持ってください。」ちょっとフォーマルな表現。

Bom fim de semana! ボン・フィン・ジ・セマナ!
「良い週末を!」週末に別れるときに、必ずといっていいほど使います。

Abrac’o / Beijo アブラソ / ベイジョ
それぞれ、抱擁とキスという意味ですが、ブラジル人は親しい人に対して、別れるときに、抱擁もしくは頬にキスをします。電話などで話をする場合、それができないから、使われることが多い。(手紙で、サインをする直前にも使われる。)そのお返しとして、”Outro. オートロ。” (もう一つ、すなわち、もう一つの抱擁、もしくはキス)という表現を使います。


読み方の基本

ここまで、読み進められた方なら、お気づきかと思いますが、ポルトガル語はほとんどローマ字読みです。英語のように、不規則な発音はほとんどなく、少しの規則を覚えれば読めるようになります。ここでは、読み方の基本中の基本を解説します。( アルファベット表記は、このホームページの表紙にある注意書きを参考にしてください。)

ca, co, cu カ、コ、ク (ポルトガル語で k はほとんど用いられません。)
qui, que キ、ケ。クイ、クエという場合は、ウの上に、..をつけます(qu”i, qu”e)。
sa, si, su, se, so は、ザ、ズィ、ズ、ゼ、ゾ と濁音になります。
清音にする場合は、sを二回重ねます。ssa, ssi, ssu, sse, sso サ、シ、ス、セ、ソ。
したにひげのついたc’ も清音です。c’a, c’u サ、ス。
o’, 口をかなり開けた「オ」です。でも、ほとんど出てこないので、あまり気にしなくてもいいかも。
cha, chi, chu, che, cho は清音、シャ、シ、シュ、シェ、ショです。
ra, ri, ru, re, ro は日本語のラリルレロでOKです。(巻き舌にしない。)ただし、語頭に来る場合、そしてrを重ねた場合は、喉の奥から出す、ハ、ヒ、フ、へ、ホとなります。
ga, gui, gu, gue, go ガ、ギ、グ、ゲ、ゴ。
ja, gi, ju, ge, jo ジャ、ジ、ジュ、ジェ、ジョ。(日本語のように、舌を口の上につけて発音するのではなく、舌をどこにもつけないで発音する。)
nha, nho ニャ、ニョ。
~a, ~o 鼻母音。鼻にかけてア、オと発音する。
語尾のeは、「エ」ではなく、「イ」と発音。

多少の例外もありますが、これを押さえておけば大体OKだと思います!(気がついた事があれば、後程アップします。)


「すみません。」

1.  Desculpe. ディスクルピ
自分がなにか悪い事をして、 謝るときの表現です。もし、自分が相手にそう言われたときは、 よっぽどな事ではない限り(^ ^;)、Nao foi nada.ナオ・フォイ・ナダ(何でもないよ。)と返します。

2. Por favor  ポル・ファヴォール
ひとを呼び止めたりするときに使います。「ちょっとすみませんが...。」という感じです。英語の please にあたる表現で、ものを頼むときも、この言葉を使うとていねいに聞こえます。

3. Licenc’a.  リセンサ
「基本五語 」にでてきましたが、人の前を通るとき、道を開けてもらうとき、話を中断するときに使います。「ちょっと失礼します。」という感じです。 これは、もともとは、Com licenc’a コン・リセンサ(com は英語のwith(ーを持って)にあたる。)という表現だったのですが、人々が使うのを聞く限りでは、Comをつけても、つけなくてもよいようです。ただし、フォーマルな場合は、Comをつけた方がよいような気がします。

ポルトガル語の方言について

リオ方言

カリオカたち(リオ出身者)は、独特のアクセントを持っている。例えば、複数形の語尾のSなどを、パウリスタ(サンパウロ出身者)なら、スと発音するところをカリオカたちは、シュと発音する。

ポルトガルのポルトガル語もそうらしいので、昔、ポルトガル王国の植民地だったころ首都だった名残があるのだろうか。ブラジルのアーチストは、カリオカが多いため、テレビなどではよくリオアクセントが聞かれる。

サンパウロ方言

サンパウロはイタリア系移民が多く、発音にイタリア語の影響がある。

ガウーショ方言

ガウーショはブラジル版カウボーイ。スペイン語ではガウチョと呼ばれていて、ブラジル南部からアルゼンチンにかけて存在している。彼らは、ポンチョを着て、馬に乗り、焼き肉を食べ、シマラオと呼ばれるストロー付きのひょうたんの入れ物でマテ茶を飲む。

ブラジル南部の州、リオ・グランジ・ド・スール出身者のこともガウーショと呼ぶが、彼らの方言は、かなりアルゼンチンのスペイ ン語と似ている。

トゥピ語

トゥピ語は、ブラジルの原住民の使っている言葉だが、ポルトガル語が公用語とはいえ、地名などによく残っている。例えば、私の住む街ピラシカバは「魚が集まる場所」(ピラ=魚)という意味。

また、ヨーロッパにはなかったもの(主に食べ物)を表す言葉も、多くの場合トゥピ語が用いられている。(有名なアマゾンの肉食魚ピラニアもトゥピ語)。



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